Women in Agile Japan Tokyo 2023に参加してきた

はじめに

2023年2月18日に開催されたWomen in Agile Japan Tokyo 2023に参加してきた。
この記事では、コミュニティへの参加のきっかけと、カンファレンスのふりかえりにつて述べる。

コミュニティに参加したきっかけ

Women in Agileというコミュニティは、コミュニティ発足当時からその存在は認識しており、男性が参加できることも知っていたが、コミュニティ名にWomenと冠しているところから、女性のコミュニティ参加へのハードルを下げることが目的の1つなんだろうと考えて、自分は参加していなかった。
今回のカンファレンスの開催にあたり、川口さんが「日本のIT業界におけるジェンダーギャップについて考える議論に加わってほしい」とXP祭りのスタッフに声をかけてくださった際も、自分はジェンダーギャップについて議論するだけの知識を持ち合わせていないので、参加する気持ちは起きなかった。
そんな中でRSGT2023にボランティアスタッフをした時、実行委員を始めとした様々な方々のうきうきなっとうメンバ*1への配慮を見て「あ、Women In Agileだからこそ、マジョリティの立場にある自分が参加する意味があるんだ」という気づきを得て、参加者募集に手を挙げた。

基調講演

基調講演はREALsの瀬谷ルミ子さん。アジャイルコミュニティでは瀬谷さんの執筆された書籍職業は武装解除が有名なので、「武装解除の瀬谷さん」だと思っていたが、基調講演の内容は武装解除のお話ではなく、争いを予防する活動のお話だった。
講演を聞いて様々なことを感じた。

  • 「自分たちがいつかいなくなることを伝え、できることはやってもらう。」というお話があり、それを実現するための手段の1つとして、コミュニティワーカーを育成しているという話があった。その後の話を聞くと、コミュニティワーカーがREALsの理念に共感して、自分の判断で動いている様子が伝わってきて、素晴らしい組織だと思った。
  • 「テロには予兆がある。成績優秀な女学生が学校を辞めることになり、気になったコミュニティワーカーが話を聞いてみると、その裏にはテロ組織の関与があった。」というお話があり、テロ組織の関与の仕方が巧妙で驚いた。何にでも予兆があり、それを検知することが重要であること、そしてそれを検知するためには、当事者に話を聞くなど、一次情報に当たらないといけないと感じた。
  • 「社会が不安定になった時に切り捨てられる立場の女性は社会の変化に敏感。だから和平交渉に女性が含まれている方が、和平合意の内容が弱い立場を考慮した有効な内容となり、和平合意の成功率が高まる。」というお話があって、それまでの「多様性はあった方がいい」という理解から、一歩理解が深まった。

また、今回の基調講演からの学びと、最近聞いたPodcastからの学びがすごくリンクした。基調講演を聞いた方は、こちらのPodcastを聴くことをお勧めします。

spinear.com

OST前にひたすら初めましてするタイム

JKさんが企画してくださって、初対面の方といろいろお話ができた。小さな輪になって話していたとき、のりっくさんがパックマンルールを実践していて、さすがだと思った。言葉は知っていながらも実践できていない自分に気づいたので、真似したい。

OST

以下の4つのテーマに参加した。

  • 多様性プロジェクト、ハードに進める?ソフトに進める?
  • Women in Agile Japanこれからどうする?
  • セクハラから守るとは?
  • 基調講演のふりかえり

どのテーマも活発に話し合いができて良かったが、特に「多様性プロジェクト、ハードに進める?ソフトに進める?」は、話し合いをする中で、DI(ダイバーシティインクルージョン)推進とアジャイル推進の類似点に気づけたことが良かった。

  • 大きく前進のためにはトップダウンが必須
  • 理念を訴えるだけでは推進は進まず、客観的な数字を見せる必要がある
  • 透明性が重要

参加者の方に、ダイバーシティインクルージョンの理解を深めるための2冊としてWORK DESIGN多様性の科学をお薦めいただいたので、この2冊は近いうちに読みたい。
下記は「多様性プロジェクト、ハードに進める?ソフトに進める?」で書き出した付箋。

おわりに

自社においてもダイバーシティインクルージョンの取り組みは実施されていて、当然それは自分の目にも入っているはずだが、無意識にそれをスルーしてしまっていた自分に気づいた。DI推進とアジャイル推進に共通する点があると感じることができたので、その取り組みから学びを得る眼差し、自分ごとと捉える態度を持ちたい。

*1:聴覚障害のある大学生チームによる臆さない発言環境の形成」というトークをしていた筑波技術大学のチームメンバ。