第25回 Scrum Masters Night!参加レポート

はじめに

第25回 Scrum Masters Night!に参加してきたので、簡単にレポートします。初参加でしたが、めちゃめちゃ勉強になった&楽しかったです。

イベントの流れ

まず参加者は、事前に考えてきたディスカッションテーマを紙に書きました。次にディスカッションテーマを集めて投票し、テーマを9つに絞りました。その後は話したいテーマ毎に席に分かれて、途中参加・途中退席OKの形式でディスカッションを1時間行いました。(こういったディスカッション形式をオープンスペーステクノロジーOST)というそうです。)

取り組んだディスカッションテーマ

私は、希望した「スクラムチームの状態を可視化するためのメトリクスと、その取り方」というテーマが9つのテーマの1つに選んでいただけたので、このテーマについてディスカッションしました。人数の増減ありつつ、5〜10名くらいの方でディスカッションしました。ディスカッションテーマ記載用紙は以下のような感じです。

f:id:sonomirai:20190822004002j:plain:w400
ディスカッションテーマ記載用紙

メトリクスについての6つの学び

みんなが見ているメトリクス、見てないメトリクス

  • ベロシティはみんな見ていた。ストーリーポイントで見る方、時間見積で見る方、両方見る方と様々でしたが、みんなベロシティは見ているということでした。見る観点としては、予実の乖離、スプリント毎のブレなど。
  • サイクルタイムはみんな見ていなかった。これは少し意外だった。収集&評価が面倒という声があり、そうですよねぇと思った。

目標あってこそのメトリクス

私がこのディスカッションテーマを選んだ背景としては、「外部のステークホルダにスクラムチームの(改善の)状態を数値として見せるためにはどうすればいいか?」というのが念頭にあったので、最初はその方向で話をしていました。ですが参加者の方の「メトリクスを取る際は、今のスクラムチームの目標がないと、意味のあるメトリクスは取れないと思う。それなしでメトリクスを取っても、メトリクスに踊らされることになりかねない。」というコメントにはッとさせられました。その方は具体的に以下のように目標に対するメトリクスを設定して、目標を達成できたらメトリクスは捨てていたそうです。

  • 目標:スクラムイベントを極力減らして、価値を届ける時間に回したい
    • メトリクス:スクラムイベントにかかる時間を計測
  • 目標:使われる機能だけを作りたい(+メンテしたい?)
    • メトリクス:ロギング機能を仕込んでログから各機能の使用率を算出

自己組織化のメトリクス

  • この話題になってディスカッションがカオスになった。自己組織化おそるべし笑
  • ちょっと違うけど、クロスファンクショナルのメトリクスとしてはスキルマップが有効という話になった。

品質のメトリクス

  • これが品質のメトリクスだ!というのはなくて、むしろスクラムには動く成果物があるのだから、それをスプリントレビューでしっかり見るのが第一、という話になった。
  • 周りがウォーターフォールでリリース時に承認スタンプラリーやっている環境でも、スプリントレビューでお客様がOKを出してくれているのであれば、リリース承認時のスタンプラリーをスキップできる、という整理をしているスクラムチームもあるとのことだった。

メトリクスの取り方

「メトリクスを手動で取るのは辛くなってやらなくなるからアンチパターン、メトリクスを取るなら自動で取れる仕組みを入れよ!」みたいな話を聞いたことがあったので、その辺りを聞いてみたところ、皆さんその辺りにこだわりはないようでした。特に目標に沿ったメトリクスを取得するという文脈でいうと、チームの目標にぴったり合ったメトリクスが自動で取れることなんてそうそうないから、最初は全然手動でやるという話だった。それで目標が達成できた段階で、もう不要だとねといって捨てるメトリクスもあるし、継続的に必要なら自動化を考えればいいということだった。

カラーコードドット

チームの状態を可視化する方法のひとつとしてカラーコードドットというものもあるよ、と教えてもらったので、こちらについても調べてみようと思います。

ディスカッション時に作成した模造紙は以下のような感じです。

f:id:sonomirai:20190822004241j:plain
ディスカッション時の模造紙

おわりに

ただただ学びしかないイベントでした。主催者の皆さま、参加者の皆さまありがとうございました。今日の学びをうまく消化して、明日からの業務に役立てたいと思います。