obnizとスマホでテレプレゼンスロボットを作ってみた
最近ハマっているobnizとメルカリで4000円で買ったiPhone5Sを使って、テレプレゼンスロボットを作りました。
テレプレゼンスロボットとはテレビ会議+ロボット+遠隔操作技術を組み合わせたロボットのことです。(Wikipediaより)
まずは動画をご覧ください。実際にテレビ会議している様子ではありませんが、コンセプトは伝わるかと思います。
obnizでテレプレゼンスロボットを作ってみた
この記事では、「こうせん」と名付けたこのテレプレゼンスロボットについて以下の順で述べます。
- 製作のきっかけ
- 仕組み
- こだわり・アピールポイント
- 材料と費用
- 今後やりたいこと
なお、こうせんの操作画面のコードはこちらです。
1. 製作のきっかけ
昨年の夏に会社でテレプレゼンスロボットが利用されているのを見て、同じような物を自分でも作りたいと思ったことがきっかけです。
テレビ電話の機能自体はスマホのアプリで十分なので、あとは通話先のスマホを動かすことができれいいと思いましたが、その時は方法が思いつきませんでした。
そして昨年の秋にobnizと出会って、これを使えば作りたかった物が作れると確信しました。
ネット上にはobnizを使ったロボットの製作例が豊富に載っていて、それらがとても参考になりました。感謝です。
それで冬休みに製作して、年明け同僚に見せてフィードバックもらって、改修して、今日のこの記事に至ります。
2. 仕組み
仕組みは単純で、テレビ電話の機能は「FaceTime」というアプリに任せて、ロボット操作の機能をobnizで実装しています。
動画ではMac上からロボット操作とテレビ電話を行なっていましたが、ロボット操作とテレビ電話の機能は連携していないので、下記右図の通り、操作側の端末は別々でも問題ありません。
なお「FaceTime」はデフォルトだと着信時に下記の表示が出て、スワイプしないと通話が始まらないのですが、iOS11以降だと自動応答の設定ができるので、これを活用すると見守りロボット的な役割を果たすこともできます。自動応答の設定はこちらに記事がありました。
3. こだわり・アピールポイント
机上で利用できるようにする
多くのテレプレゼンスロボットは床の上を移動しますが、こうせんは大きさ的に机上での利用を前提にしようと決めていました。ただ机上で利用するためには、こうせんが落ちたり、机上のものを落とさないようにする必要があるので、そこは先端に距離センサーを取り付けて、センサーの値が閾値以上になった時には緊急停止するようにしました。
また机上という狭いスペースで動く際には、如何に小回りがきくかも重要なので、綺麗に旋回できるシャーシを結構探しました。当初は見た目のかわいいタミヤのカムプログラムロボットを使っていたのですが、どうも綺麗に旋回ができなかったので、別のシャーシを探すことにして、こちらの記事を参考に、今のシャーシを購入しました。
操作者の意図を受け側に伝える
操作者の意図が受け側に伝わった方がいいと思ったので、obnizをこうせんの先端につけて、ボタンクリック時には「前進」などの文字が表示され、緊急停止時には「緊急停止」の文字が点滅して表示されるようにしました。
フールプルーフを意識してUI設計する
緊急停止時にはいったん後退してもらい、それから旋回してもらいたいので、緊急停止時には後退以外のボタンを非活性化して、そもそも押せないようにしました。
壊れにくい設計にする
製作中、センサーがうまく働かずにこうせんが机から落ちて、シャーシが真っ二つに割れてしまったことがあり、そこから壊れにくい設計を真剣に考えるようになりました。
壊れにくい設計の1つとして、以前はモバイルバッテリーを横向きに配置していたのですが、これがシャーシが真っ二つに割れた一因と考え、モバイルバッテリーを縦向きに配置するようにしました。一応わざと机から落としたところ、今度はシャーシは割れませんでした。怖くて1回しか落としていませんが。。。
壊れにくい設計についてはまだまだ不十分だと思っているので、今後も改善していきたいです。なお現状のこうせんの各面は以下のようになっています。
シャーシが白いのは補強用のテープを貼ったからですが、このテープでどれだけ壊れにくくなったのかは正直よくわかりません。意味ない気もしてます笑
4. 材料と費用
材料と大まかな費用は以下の通りです。
材料 | 費用(円) | 備考 |
---|---|---|
obniz | 6000 | たまにキャンペーンで5000円くらいになっています |
iPhone5S | 4000 | メルカリで中古を購入。スマホなら何でもいいです |
シャーシ | 1400 | Amazonで購入可 |
モバイルバッテリー | 1500 | 筆者はポケモンGoにハマってた時に購入してその後使ってなかったやつを使いました |
距離センサー | 450 | 秋月電車で購入可 |
センサー取付用金具 | 100 | ホームセンターで購入可 |
本立て | 100 | 家にあったやつを使いました |
その他の部品 | 1000 | ネジ, スペーサー, 導線など。ザクっと1000円あれば足りたはずです |
合計 | 14550 |
本体の費用、スマホ含めて15000円以内というのは、個人的には結構安くできたと思っています。ただ試行錯誤の段階でカムプログラムロボットをはじめとしたシャーシやタイヤを買っていてそこは別途お金が掛かっているので、今回の製作を通しては、IoTロボット製作はソフトウェア開発に比べるとお金がかかるなぁという感想を持ちました。